2012年01月25日

Mr. Saburo Kishida

昔の日記より

【title Mr. Saburo Kishida 】

ミスター サブロー・キシダ 宛てのダイレクトメールが
最近送られてこないね。と、昨日Mちゃんと話した所でした。
キシダさんは店を開いてすぐからのお客様で
当店最高齢の80代の常連さんです。

チノパンにシャツ、帽子とデイパックで、
竹富から出てきたときは、いつも寄ってくれました。
患ってらした肝癌で亡くなられてから、もう何年でしょう。

いつもカウンターに座り、いろいろな話を聞かせてくれました。
優しいなかに、偏屈さがチラチラ見えるキシダさんでした。
アメリカに住んでいた事もあり、英語が得意で
かなりの食通でもありました。

海外のお土産に、美味しいバルサミコをケースで頂いた事もあったし
すごい美味しい、すごい高カロリーなお菓子をいつも頂いて、
時には量が多く、私達は醜い体になったものです。

代表的なのがテキサスのフルーツとラード!のケーキ。
画像の缶です。(今は領収証が詰まっています。)
Mr. Saburo Kishida

キシダさんは半年に一度、東京に検査入院に行くときはいつも、
「もう多分来ないよ。そろそろ死ぬからパー
と言いながら出かけていきました。
私達は「いやいや、大丈夫ですよパー」と見送る訳です。

ある時、「この検査から戻って来たら…」と
たくさんの計画を立てて出発されたので、なんとなく不安になりましたが
その後、キシダさんは、もう戻っては来ませんでした。

命日から数ヶ月後、家族のないキシダさんの遠い縁者の方と、
竹富の西の浜に遺灰を撒いて 、キシダさんとは、しばらくのお別れ。
その時、集まった人達に分けられたのは
あのテキサスのCollins street のケーキとバルサミコでした。

しばらく経って、私もMちゃんも、キシダさんの事を忘れ始めたころ
海外からダイレクトメールが届き始めました。

石垣市大川142マッドティーパーティ御中
キシダ サブロー様

キシダさんの最後の、最高の悪戯でした。
東京に出かける前にきっと、登録住所を変更して行ったのです。

フルーツケーキや、ナショナルジオグラフィック、南米の通販のカタログは
毎年忘れた頃にマッドティーパーティのキシダ氏宛てに届けられ、
それは何年も続きました。

今年は届いていないような気がしますが、
もう十分に、イタズラの成果は上がっていると思います。
こんな風に、私達はキシダさんの事を、時々思い出すのです。

【2008年09月19日16:55】


そういえばキシダさんには、
「オッソブッコ作ってよ」
と、牛スネ肉の煮込み料理を何度もリクエストされましたが
結局一度も作ってあげなかったなm(u_u)m

不思議なご縁で、4月からマッドティーパーティを譲り受けてくださるのは
このキシダさんの住んでいた、竹富の借家の大家さんの息子さんに決まりました。
この前、その方と話をしていて、こんな繋がりがあると分かって、
ちょっと嬉しくなりました。

マッドの閉店の時期が決まったら、ちゃんとお知らせしますね。

マッドが閉まってしまっても、この通りは寂しくなりません。
なぜならほら、道の向かいに、なにやら素敵な看板が

Mr. Saburo Kishida
あ、看板は写ってないか・・・

新しく開店した、スペイン・バルです。
中は、こんな感じ。

Mr. Saburo Kishida

瓦屋の天井をぶち抜いて、開放的な空間です。
私も時々、営業時間抜け出してシェリーを飲みにお邪魔します(^^;)
新しいお店はコスティーリャさん。
マッドともども、どうぞヨロシク♪




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Posted by takaragai at 17:16│Comments(4)つぶやき
この記事へのコメント
ホント、不思議なご縁ですね!(^^)!

takaragai さんから岸田さんの話を聞いたとき、僕もとても驚きました。
この前、母が家に来ているときこの話をしたら、母も驚いていました。

お隣のスペイン・バールを撮ろうとしている写真はその意図よりも…
MAD TEA PARTY の中に差す木漏れ日の方が素敵に感じられますね(*^_^*)
Posted by meza6meza6 at 2012年01月25日 17:31
キシダ サブローさん ご存知でしたか。体調こわした。と聞いてましたが、お亡くなりになったとは知りませんでした。ご冥福をお祈りいたします。高齢にもかかわらず、島ではスポーツチャリを颯爽と乗り回したのを思い出します。
Posted by bassman at 2012年01月25日 18:55
この方のように、マッドさんに特別な思いを抱いている方、多いんでしょうねえ。
私もそうですけど・・。ある特別な時間を過ごした思い出とともに、特別な思い入れのあるお店です。

さびしいですねえ。
お店、ほんとに閉店なさるんですね。時期が決まったら教えてください。
ジェノベーゼ、食べに行きたいです!昼間も今、やってますか?
Posted by umi at 2012年01月26日 00:04
●meza6さま

あの瓦屋、いまは誰が住んでいるんでしょう。
帰る前に、竹富も歩いて来たいです。
いまさらながら、種取りに行かなかったのが悔やまれます。

木漏れ日写真をほめてくださり、ありがとう♪
この日は土砂降りで、雨を写したかったのですけれど、ご覧の通りの画像になりました(^^;)


●bassmanさま

キシダさん、おじいちゃんなのにカッコ良かったですよね。
素敵でした♪お元気だったら、もうきっと100歳手前じゃないかな・・・
bassmanさんも、きっとカッコいいお爺ちゃんになるはずね~~


●umiさま

思い出の中のひとコマになれたなんて、すごく光栄です。
私にとっての、そんなお店ってどこだろう・・・って
いま、記憶をたどって探してみてます。

三月の中ごろには島を出るかもしれません。
息子と2人、無銭旅行で、桜前線とともに北上していくのもいいな・・・とか考えてます。
もし石垣に見えることがあれば、お電話くださいね。
バジルを調達しておきます。
いま、庭のバジルは、カタツムリが大方食べつくしているので。
長い雨が続いている石垣島です(^^;)
Posted by takaragaitakaragai at 2012年01月26日 17:41
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